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93年になると先にも述べたNIC21が「油津−海と光と風と」を刊行し、94年には中央港湾審議会計画部会で油津港湾計画改定案が承認され、正式に堀川の保存整備が決まった。
住民周辺でのこのように堀川やその一帯の開発保全の動きが高まる中、油津みなと地区においても大きな変化が始まった。この期を捉えてこの地区に活気を取り戻そうという思いである。関係グループ一生会、えびす会、地蔵会が中心となり、94年に「油津みなとまち商店会・人づくり委員会」を結成し、NIC21をはじめ港地区の事業所も会員として参加してもらい、50社余りの地域活性化研究グループが誕生し、商工会議所の指導の下、通産省の補助金を受けリーダー育成事業がスタートした。この組織のユニークな点は、商店会の中の組織であるにもかかわらず、いわゆる商業者だけではなく工業、サービス業、漁業協同組合等油津港地区に事業所を持つ企業に参加を呼びかけた事と、アドヴァイザーグループとして、港湾事務所、県労政事務所、等の県関係者に入ってもらった事だろう。又、日南市の関係課からは例会には必ず出席いただき貴重な意見をいただいた。
事業内容は、油津みなとまちに残る古い建造物の再利用の可能性や、歴史的・観光的価値のある道具や古文書の調査並びにこの地区に関する住民の意識調査等であり、それらに基づくシンポジウムの開催である。コンサルタントは、油津港の計画改定を行った際の港湾審議会の基本資料となる堀川のグランドデザインを担当した、東京のB−WAY‘Sにお願いしたのだが、データ・土地鑑は港湾審議会の時に十分得ているにもかかわらず熱心に毎月油津まで足を運んでいただき、油津にはブルドーザーで押しまくって開発する手法は似合わず、今ある施設を金のかからない方法、例えばデザイン的に優れた処理をしていくリニュアール的手法が合うというコンセプトを提示された。展示会もシンポジウムも漁協の魚揚場を利用して行われたが、地元の方々を中心に多くの参加者があり、盛況であった。

 

7 蘇れ油津 港と運河のまちづくり
1995年油津みなと商店会人づくり委員会は発展解消し、まちづくり委員会を組織し昨年に引

 

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写真328 人つくり委員会 シンポジウム設営風景

 

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写真329 人つくり委員会 シンポジウム会場風景

 

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写真330 人つくり委員会 展示会会場

 

 

 

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